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【瀬見温泉喜至楼】山形県に現存する最古の旅館建築とローマ式千人風呂【山形県最上郡最上町】

宮城県の小牛田(こごた)駅から山形県の新庄駅を結ぶ陸羽東(りくうとう)線。
沿線には鳴子温泉などいくつかの温泉地があり、そのひとつに瀬見温泉があります。
喜至楼(きしろう)は瀬見温泉にある旅館で、山形県に現存する最古の旅館建築と言われています。

 

 

喜至楼

 

瀬見温泉喜至楼近景
右側は明治時代の建築と言われている喜至楼本館の玄関および周辺建築。

 

個人的に都市部ではゲストハウスなどを利用することが多かったのですが、山間部の温泉地にはなかなかなく、せっかくなら個性的な宿に泊まりたいと探していて見つかったのが喜至楼でした。
調べていくと本館玄関とその周辺建物は明治時代の建築で山形県に現存する最古の旅館建築と言われており、宿泊棟別館の一部は大正時代、通常の客室は昭和後半の建築、とのこと。

 

喜至楼本館玄関内側
明治時代の建築と言われている喜至楼本館玄関の内側。

また、ローマ千式人風呂という浴場があるというのもとても気になり、訪れてみたくなりました。
以上のような経緯に加え、お値段も相まってほぼ即決で宿泊を決めました。
到着してまず思ったのは、こんな山間部(豪雪地帯)によくこんなにすてきな建物を残してくれたものだ、という驚きでした。
そして建物に興味を持って選んだ宿でしたが、お食事も美味しく温泉もゆったり浸かることができ、女将さんのおもてなしもあたたかく、満足度がとても高かったです。

 

旅館外観

 

瀬見温泉喜至楼遠景

 

小国川の対岸から見ると増改築をして大きな木造建築になっているのがわかります。
正面向かって右側が本館、中央は私が宿泊した客室のある建物、左側は旅館利用者の入り口や朝食会場がある建物で、左側手前には湯前神社の鳥居と社もあります。
これらの建物が全てつながっていてひとつの旅館なので、今でも大きく感じますが増築された当初はより一層大きく感じられたのではないでしょうか。
ちなみに外観からは気づきにくいかもしれませんが、中央部の1階にはローマ式千人風呂があります。

 

旅館内部

 

瀬見温泉温泉街

 

私の宿泊したお部屋からは温泉街の通りや本館の軒が見え、こじんまりした温泉街の風情が楽しめました。

 

喜至楼客室

 

室内には鯉が川登りする絵ガラスの窓、ダイヤル電話や姿見などのレトロな調度品があり、おふとんはふかふか、お部屋だけでもレトロな雰囲気で楽しめます。

 

ローマ式千人風呂

 

喜至楼温泉入口

 

ローマ式千人風呂は円形の形が特徴的で、アダムとイヴらしきタイル画があり、岩からお湯が湧き出るようになっています。
もちろん温泉なので浸かったあとはぽかぽかです。

 

喜至楼ローマ式千人風呂

朝夕で日の差し込み方や水面の光の反射が異なり、雰囲気の違いも楽しめました。
夜は電気の他に時折道路側から外の車のライトが差し込んで明かりがゆらゆらする温かい雰囲気、朝は外からの日差しで水面が反射しきらきらした雰囲気に感じられました。

 

瀬見温泉

宮城県の小牛田(こごた)駅から山形県の新庄駅を結ぶ陸羽東(りくうとう)線の沿線には鳴子温泉などいくつかの温泉地があり、そのひとつが瀬見温泉です。
源義経と弁慶が源頼朝の追っ手を逃れ、奥州平泉へ向かう途中に立ち寄ったという伝説もあります。
山間の小国川沿いに佇む古くからの温泉地です。
今回私が注目した喜至楼に泊まらずともゆったりとした時間を過ごせそうな温泉街でした。

この記事を書いた人

Erika

青森(弘前)、京都、大阪、に居住歴があり、現在は首都圏在住です。私にとって日帰りで寺社仏閣や美術館を巡ることも3000m級の山に登ることも、興味を持った「場所」を訪れるという旅の延長にあります。移動も旅の一部なので飛行機や鉄道などではせわしなくしています。

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